フードマーケティング

  • 食:FS2e243
担当教員 入学年度
田丸 典彦(タマル ノリヒコ) 2024年度
授業形態・単位等 学科・学年・開講時期等
専門教育/講義/2単位 食物栄養専攻/2年/後期/開放
担当教員 田丸 典彦(タマル ノリヒコ)
入学年度 2024年度
授業形態・単位等 専門教育/講義/2単位
学科・学年・開講時期等 食物栄養専攻/2年/後期/開放

授業の概要(目的と目標)

 私たちの食生活は国内外から膨大な食料品が供給され、日本人は豊かな食生活を営み飽食の時代と言われている。しかし、国内的には食料自給率が極度に低下する中で、大量の食品を捨てる食品ロスを生じている。そして社会の少子高齢化に伴い、食料の関連分野は深刻な後継者不足となっており、これまでの豊かな食の安定供給に不安の影を落とし始めている。食に関わる課題は、世界のグローバル化が進行する中で世界規模で直接わたくしたちの生活と結びついている。
 現在、世界人口の9分の1の人々が飢餓に苦しんでいる。こうした中 国連は2030年を年限として17の達成目標( SDGs)を定め、食に関わっては飢餓の克服(No.2)や持続可能な資源の利用( No.14、No.15)その他等、多くの目標(ゴール)を掲げている。
 このような現代社会の中で、食の専門家として食市場の仕組みを知り、各種食品の特性や価格形成を理解できることはとても大切である。
 また、日本中で世界の食材が日常的に利用される中、北海道では豊かな食料資源を生かした、様々な地産地消の取り組みがなされている。自然を損なわずに利用するアイヌ料理もそうした地域に伝承される食文化の一つである。
 食の専門家を志し、食の安心と安全の問題に関心を持ち、地域食材とアイヌ文化に意欲的に取り組む学生さんを歓迎する。



学生の到達目標

・食の価格の変動、食の安全性、地域食材の利用など多種多様な事項について興味と関心を持ち、食の専門家として自らの考えを述べることができる。
・グローバル化が進展する世界の食に関わる諸問題を解決するため、国連が提案しているSDGsの目的に向かって実践できる。
・ゲノム編集食品などの新技術の食品をについて知見を深め、食の安全と安心について認識を深めることができる。
・地域の気候風土に根差した地産地消の食文化(山菜、アイヌ料理、等)に取り組むことができる。
・食材等の選択において実践的判断力を培うことができる。
・今日的課題である食の安全・安心、食料自給率、食品ロス、地産地消等について関心を持ち、特に北海道の先住民族アイヌ文化と料理の理解を深める。

学位授与の方針(DP)との関連  食:1 

授業計画

1.オリエンテーション
授業内容の概要を話し、レポート課題についての説明をする。
個々の学生から食料問題についての興味と関心事項を書いて提出してもらう。
次回に発表し話し合う。
現在の食に関わる内外の課題(食料自給率、食品ロス、食の安全、世界貿易、世界の飢餓人口、等)を概略説明し、国連で採択されたSDGsが掲げる目標の中から、食に関わる課題についても概略解説する。
2.食に関する関心事項について学生の発表(プレゼンテーションとディスカション)(AL)食料生産の概略史と農産物の分類。
3.食の安全と安心(食の安定供給と残留農薬、有機栽培 食品表示)
4.食品市場の変化(食市場、食品消費の変化、食生活の多様化、主要食品の流通(米、青果)
5.食の流通(食品流通の役割と社会的使命、卸流通、小売流通)
6.食の外部外(外食・中食産業)フードビジネス(フードビジネスの担い手、6次産業)
7.見学研修(食料生産や流通に関わる現場見学)(フィールドワーク)(AL)
9-10.食に関わるSDGs(飢餓、食料生産、食品流通、プラスチック廃棄物 環境問題等) 
11.アニマルフェルフェアと養鶏産業 地産地消と地域に根差した食文化
12.釧路アイヌ協会による特別講義(アイヌ料理とアイヌ文化、山菜、ジビエ等) (AL) 
13.食料自給率と食品ロス削減(賞味期限と消費期限等)
食に関わる身近な課題として考え方を発表する(プレゼンテーション)(AL)
14.先端技術と食の安全性(組換えDNA食品、ゲノム編集食品等)
15.食料消費の課題 フードマイレージ、BSE、とトレーサビリティ等





事前・事後学習

・新聞報道、ネット等の食に関わる出来事は注意を払い、よく読んでおくこと。授業で取り上げて論る。
・食に関わる事項のうち、関心のある事柄については日頃から勉強しておくこと。レポートに生かすことができる。
・フィールドワークの見学研修については整理しておくこと。帰校後発表する。

評価の方法・観点

 
レポート  100%  課題レポートを期日までに提出。

 

教科書 指定なし 
参考書 「食品の消費と流通」日本フードスペシャリスト協会(建帛社)
「アイヌのごはん」藤村久和監修 デーリィマン社
 その他、食品と食料生産および食の安全性に関する書籍を必要に応じて紹介する。
試験結果のフィードバック 授業時間外にレポート結果の講評・解説をする時間を設ける
アクティブ・ラーニング要素を含む授業の開講 プレゼンテーション2回、ディスカッション1回、フィールドワーク1回
双方向型授業の開講